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システムセールスマンの生産性向上に成功:受注額50%UP(4/4)

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事例から学ぶ
「システムセールスマンの生産性向上に成功:受注額50%UP」           (4/4)

 <4.横浜支店の事例>

注)本改善運動は、セールスを科学する手法のみで改善されました。
   それをDIPS運動と読んでいます。


 横浜支店はS−DIPS運動により、支店全体で前年比168%と大幅に業績を改善することができました。



 この改善の決め手は大きく4つあったと思います。



 まず、1つ目は、新セールスステップが確立したということです。

それまで、各マネージャー、セールスマンとも売り方については当然同じ認識を持っているものと思っておりました。

今回の研修で初めて分かった事ですが、参加したマネージャー、セールスマン7名が考えていた受注までのセールスステップとセールス機能は全員バラバラでした。

これでは、いくら長時間セールスマンと打ち合わせしても、噛み合わなかったり抜けが出るのは当然です。

そこで、全員でセールスステップとセールス機能を統一させました。

その結果、セールスマンとマネージャー双方がセールスステップとセールス機能を意識した営業活動やレビューを実施できるようになりました。

このように営業活動というややもすればブラックボックスになりがちな世界に共通のモノサシが出来たということが第一の決め手であったと思います。



 2つ目は、マネージャーのセールス指導技術及びセールスマンの営業スキルが目に見えて向上した事です。

私共もこれまで多くの研修を受けてまいりました。

今回もDIPSに参加しろと言われ、正直最初は「また研修か。

業績も良くないし、そんな研修に参加したらセールスの稼働日数が少なくなる」とネガティブな気持ちで参加し始めたのが実態でした。

ところが、S−DIPSでは、今自分たちが追っている実際の見込客を題材として日本エル・シー・エーの先生に、セールスマン個人個人の課題に対し的確なご指導をいただきました。

研修中にある見込客のレビューをしているときのことです。

その担当セールスマンは成約段階の詰めが甘く、その見込客も契約が延びていたのですが、その研修の場で「専務に電話をするように」とアドバイスしていただきました。

それによってその3日後にご契約をいただくことができました。

このようにS−DIPSが単なる研修ではなく実践の中で個人別に足りない点を身につけることのできる運動であったということが第2の決め手です。



 3つ目はスケジューリング技術が向上したことです。

それまで見込案件毎の計画、月次、週次のスケジューリングもセールスマン任せであり、やるべき事が抜けていたり、無駄があったりしました。

マネージャーはその結果だけを見てレビューしていたというのが実態でした。

しかし、営業活動の質を上げるために事前のレビューを実施することにより、無駄や抜け、足踏みが減少しました。

結果のレビューから事前のレビューヘと、レビューの質が変わった事が3つ目の決め手であったと思います。



 4つ目はマネージャーの革新です。

セールスマンによってその課題も違いますので、マネージャーの関わり方も異なってまいります。



 まず、新卒2年目の若手セールスマンであるH君の場合、商品知識やお客様の業務に関する知識が不足しており、最初の見込発掘のステップの興味づけや情報収集が出来ておりませんでした。

その結果、一所懸命訪問している割にはなかなか見込発掘ができておりませんでした。

そこで、今回開発したレビューシートに基づき、見込客の案件毎に商談シナリオのレビューやロープレを繰り返すことにより、確実にステップアップができるようになりました。

また、それまで新人だからと遠慮していた、マネージャーやSEへの相談や同行などの支援もタイミンク良く依頼できるようになりました。



 その結果、彼は、先期それまで多くの先輩が何度アタックしても取引できなかったM(株)様という年商2兆7干億の超ビッグ企業でノーツのアプリケーションをご発注いただいたわけですが、そのM(株)様のレビューを研修中に行っている時のことです。

我々マネージャーや先輩は「そこまで商談が進んでいれば100%契約できるよ」と言ったところ、彼は「初めてのお取引先のお客様ですし、最終稟議先の部長の阻害要因の調査と排除ができていませんから」と逆に指摘され、私自身、まだ昔ながらの経験と勘と度胸のいわゆるKKDの営業体質から脱皮できていないと反省すると同時に、彼の成長ぶりを頼もしく思ったものです。

H君は業績面でも、全てニューコールから始めた新規取引のお客様で東京事業部全セールスマン75名中24位と素晴らしい結果を出してくれました。



 次に中堅セールスマンである∪主任の場合ですが、彼はセールス機能の中でお客様と提案や販売活動の合意を得ないまま商談を進める傾向があり、見込客の決定率も高くありませんでした。



 そこで、セールス機能比較分析で「販売活動の合意機能が弱い」と指摘されても、彼自身は「そんなことはない」となかなか認めようとせず、事実認識にギャップがありました。

しかしながら、セールススピード分析のデータで他のセールスマンと比較分析して初めて彼も事実認識してくれました。

そこで、お客様との合意機能を強化するため「販売活動チェックリスト」というツールを開発しました。

このリストを使って、客先の規模別にキーマンと合意内容の妥当性を検証し、根回しの方法を検討しました。

その結果、足踏みや後戻りが減少し、ステップアップ確率が33%から43%へ改善されました。

∪主任にはそれまでも「君は思いこみが強い性格だから決定率が低いんだよ」と何度か言っておりましたが、人はデータできちんと説明しないと素直に事実認識できないし、事実認識ができなければ何十回言っても変わろうとしないものだと改めて感じました。



 ベテランの∪係長の場合、彼は売る力は持っているのですが、ユーザーフォローに忙しく、見込発掘が進んでいないという課題がありました。

そこで、商談レビューではなく、月次、週次、毎日のスケジュールレビューで仕事の優先順位を見直す事により見込発掘を進めるようにしました。

月次スケジュールに「見込客訪問」「ドメイン訪問」といった要素を設けることで、優先順位の見直しや長期見込客へのアプローチもできるようになり、見込発掘件数も4件から8件と倍増することができました。



 今まで、特にベテランセールスマンには任せ放しにする傾向があったのですが、このようにベテランセールスマンでも課題があり、その課題を解決することでより高い業績にチャレンジできる事が再確認できました。(資料参照)

営業利益&営業売上の営業時間

 これらの取り組みの結果、横浜支店トータルのステップアップ確率が32%から41%に向上し、足踏みも減少した結果、トータルの平均所要時間が1,187分から718分と約1.6倍のスピードアップを図ることが出来ました。



 さらに、セールススピードがアップすることにより、セールスにとって一番重要な、4名の有効面談件数が57件から156件と約2.7倍に、有効面談時間も67.3時間から180.3時間と同じく2.7倍に増えており、セールスの稼働率が非常に高くなっていることがおわかり頂けると思います。



 S−DIPS運動によりセールスの生産性が大幅に向上した結果、改善前の平成8年1月から4月までは4名のセールスマンで4件の受注実績でしたが、改善後の平成8年5月から8月までは13件と約3倍に増え、平均粗利率も359,2万円から2,339,2万円と向上し、6.5倍もアップすることが出来ました。



 販売のリコーと言われるリコーグループの人材教育の専門会社であるリコー・ヒューマン・クリ工イツの伊藤社長様がよく言われておりますが、S−DIPS運動はまさに「営業を科学する」運動だと思います。

管理強化と誤解されている方もいらっしゃるかもしれません。

かくいう私自身もその一人であったのですが、実際にやってみて全く違うと断言致します。

「考える営業」は、運動の成果が目に見えて業績結果に表れてくるので非常に楽しいものでした。

最初はセールスのスキルアップの為の研修だと思っていたS−DIPS運動ですが、実は私を含めたマネージャー自身の革新のための運動でありました。

そしてマネージャー自身が、このS−DIPS運動で革新出来たということが業績改善の一番大きな決め手であったと思います。


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